京都大学の井上浩輔准教授らのグループは、糖尿病患者の血糖・血圧管理の治療効果が独居よりも、誰かと生活していたほうが効果は高かったと明らかにしている。薬物や食事、運動など周囲からのサポートが影響を与えていると推察されている。
糖尿病にり患する人は日本では約1000万人に上ると推定される。心血管疾患(CVD)となる患者が多く、死因の3分の2を占めている。予防するためにはリスク因子である血圧と血糖のコントロールが重要だ。
研究では北米の糖尿病患者4731人を対象に解析。平均4.7年間の追跡調査を行った。
その結果、他者と暮らす患者は厳格な血糖・血圧管理をした場合のCVD発症リスクが、ハザード比0.65低かった。一方、独居患者ではリスクに明確な違いは見られなかった。居住形態が抑制効果に影響を与える可能性を示しているという。
井上准教授らは「薬物療法や食事療法、運動療法への取り組み方や周囲からのサポートが影響していると推測できる」と説明している。