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天然物質「プラディミシンA」 新型コロナ感染を抑制 革新的ウイルス薬開発に期待 名大など5機関

名古屋大学と長崎大学、広島大学など5大学からなる研究チームは、土で暮らす「放線菌」が生産する天然物が新型コロナウイルスの表面に存在する糖鎖に結合してその感染を抑制することを発見している。革新的なコロナ対策薬につながる可能性がある。

新型コロナウイルスの表面には多数の糖鎖が付いている。グループは天然物「プラディミシンA」(PRM-A)が糖鎖に結合して感染を抑制できないかを検証した。

研究によるとPRM-Aはウイルスの糖鎖を構成するマンノースに強く結合することが明らかとなり、ウイルス感染を抑制することが分かった。PRM-Aは細胞毒性などの欠点がなく、化学合成が可能であることから抗ウイルス薬としての資質に優れているという。

グループは「PRM-Aに基づく抗新型コロナウイルス薬が実用化されれば、ウイルスによって繰り返されるパンデミックの完全抑制につながる」と評価している。