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令和6年能登半島沖地震前の地下ヘリウム 平成の地震と同様に高い 発生予測に貢献 弘前大・東大

能登半島地震による液状化現象の跡

弘前大学の梅田浩司教授と東京大学の角野浩史教授らグループは、令和6年能登半島地震の前年に地下水を採取した。化学組成の測定を行うと、震源域で大気の2~4倍のヘリウム同位体比を確認。2007年に能登半島で起きた地震の際にも同様に高いヘリウム同位体比が認められており、地震の発生可能性を予測できる可能性がありそうだ。

梅田教授らは時間当たりの地下から地表にかけて、ヘリウムが流れている量を見積もった。すると1906年のサンフランシスコ地震(M7.8)や1999年のイズミット地震(M7.4)、2009年のニュージーランド地震(M7.8)と同程度が観測されたという。

グループは「マントル起源物質を含む地下水の分布や流量を明らかにすることにより、大地震の発生ポテンシャルの高い地域を予め把握できる可能性があることを示している」と評価している。