文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
妊婦の血中金属濃度と子どもの川崎病発症の関連 京大と横浜国立大が調査

京都大学と横浜市立大学のチームは、約10万組の親子データから妊婦の血中重金属濃度と川崎病との関連を解析した。その結果、妊婦の血中重金属濃度は、生まれた子どもの発症との関係が認められなかった。

川崎病は5歳以下の小児が発症する血管炎で原因は不明だ。眼充血と口唇発赤、全身の発疹を特徴としており、海沿いの地域に発症者が多く、アジアでは日本が最多とされている。

グループは⾎中重⾦属濃度や川崎病発症のデータがあるおよそ8万5000組の母子を抽出して、5種類の重金属(水銀・カドミウム・鉛・マンガン・セレン)の濃度によって、発症リスクが上昇するかを検証した。1歳時点の発症リスクを解析し、2と3歳でも副次的に検証した。

その結果、5種類の血中重金属濃度とそれぞれの年齢で症状が現れることに関係はなかった。

チームは「研究では⼦ども自身の⾎中重⾦属濃度は検証していない、という点には留意が必要」とし「本疾患に限らず、⼦ども自身の測定値を用いた調査が期待される」とコメントしている。