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空襲で焼失した旧国宝仙台城大手門の金具類を発見 装飾の新資料も確認 東北大

発見された金具類

東北大学の佐藤大介准教授らは、1945年に焼失した旧仙台城大手門(旧・国宝)の金具類と装飾を発見した。将来の仙台城大手門の復元に向けた貴重な資料となりそうだ。

佐藤准教授と学生らは教育講義「学問論演習」の中で、NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークの協力で、収集家の故・梅津幸次郎氏の約20点の金具類や瓦といったコレクションを確認した。NPO法人のボランティアが梅津氏の遺族と知人関係にあったことが発見につながったという。

金具などが入った箱には「昭和20年7月10日に戦災焼失した仙台城大手門の金具である」と記されていた。佐藤准教授と仙台市教育委員会が模写を照合するなど調査をした結果、金具類が大手門に使われた実物であると結論付けられた。

また、実習に参加していた学生が菊の紋を発見し、仙台城本丸の建物に飾られていた紋を模して作成した旨が書き込まれていたという。

佐藤准教授らは今後、梅津氏コレクションのデジタル記録化を目指す。歴史を復元する手がかりとなることが期待されており、歴史資料の保全を契機とした町づくりに貢献していきたい考えだ。