東京農工大学の井上真紀教授らのチームは、衛星画像の分析によって森林の葉に食害を与える「マイマイガ」の生息域を特定し、発生の予測に成功している。マイマイガの適切な管理方法につながるとしている。
チームは2021~22年に富山県黒部市で調査を行って食害地点を撮影。衛星画像を使って被害分布図を作成している。特に標高400~700mで斜度が35~50度の落葉広葉樹林で分布確率が高いと判明している。だが、成虫が市街地の光に誘われて標高の低い地点にいることもあったという。
マイマイガと卵の発生を予測するためには、まず環境データを用いて幼虫の発生リスクが高い範囲を抽出。そこから数キロメートル圏内を成虫などがいる可能性が高い場所と選定する方法が適切であるとされ、マイマイガの発生を予測する方法を確立したとしている。
チームは「研究成果は、駅をはじめとした公共施設における適切な管理方策の策定や港におけるリスク管理にも役立つ」と評価している。