文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
コーヒー粕からホロセルロースナノファイバー取得 食品添加物や化粧品に利用 横浜国立大

横浜国立大学の川村出教授らの研究グループは、コーヒー粕(かす)に含まれるセルロースとヘミセルロースが両方含まれた状態から微細化することで、コーヒー粕から52%の高収率で2~3ナノメートル繊維幅のホロセルロースナノファイバー(HCNF)を分離した。食品や化粧品などへの活用が見込まれている。

使用済みコーヒー粕は世界中で年間600万トン以上が排出され、それらを有効利用する取り組みが進められている。研究グループは多糖類のヘミセルロースに注目して、コーヒー粕を原料としたHCNFを得ることに成功した。

構造分析を行った結果、HCNF 上にはコーヒー粕の主要なヘミセルロースである「マンナン」が結晶化した状態で含まれ、コーヒー粕由来 HCNF がこれまでに報告のない新しい特徴をもつことが明らかになっている。

研究グループは「研究で水とコーヒー粕ホロセルロースのみから得られた高度に微細化された HCNF は、植物由来の環境にやさしい乳製品、肉製品、ケーキ生地などの食品添加剤や化粧品への利用が期待される」としている。