東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座の安保雅博講座担当教授らは、液晶問題に出た問題を読み上げ回答する訓練をしながらクロスステップをすると、下肢と認知機能が向上することを発見している。
研究は昨年4~10月に日常生活動作が自立している65歳以上の患者116人を対象に実施した。画面に表示された質問を音読して熟読してから答えてクロスステップを行う(ロボット支援療法)集団とステップのみの集団に分けて、30 秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)により患者を中等度と重症群に分けた。
その結果、ロボット支援療法群のCS-30スコアは訓練前に比べて改善を示し、重症群で顕著であった。さらに下肢機能に有意な変化を認めている。ステップのみの方法では下半身の力に違いは見られなかった。
安保教授らは「この研究は、高齢者のニーズに合わせたデュアルタスク、訓練プログラムの改良に大きく役立つ」と評価。「最終的に高齢者の健康と寿命を改善することになるように努力していきたい」と力を込めている。