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業務効率性を左右する心身状態とは? 抑うつや肩こりが生産性を落とす 阪大

日々のプレゼンティーズムの変化に関わる心身状態

大阪大学の中村亨特任助教は東京大学のグループと共同で、業務効率が落ちるプレゼンティーズムには、日中の抑うつ気分と肩凝りの悪化、前日の睡眠時間の不足が関連することを明らかにしている。

近年、職場の従業員のプレゼンティーズム対策が重要視されている。だが、心理的、生理的、社会的要因が複雑に絡んでおり、その効果的な対策は確立していない。

研究グループは健康な勤労者56人を対象にスマートフォンアプリと身体活動量計を用いた方法EMAにより、プレゼンティーズムと心身の状態を同定することを試みた。

被験者はスマホにインストールしたアプリを使って、抑うつやストレス、疲労感などの自覚症状を1日5回にわたって解答してもらった。仕事後にはその日全体のプレゼンティーズムを評価してもらった。

その結果をもとに、日々のプレゼンティーズムの変化と日中の心身の状態との関係について検討すると、日中の抑うつ気分や肩凝り、前日の睡眠時間がその変化に関連する要因であることが明らかになっている。

グループは「日々のプレゼンティーズムの改善には、日中の抑うつ気分や肩凝りを低減させたり、十分な睡眠時間を確保するといった介入が効果的であることが示唆される」としている。