伸縮性のある有機太陽電池

理化学研究所の福田憲二郎専任研究員らの研究グループは、高性能で伸縮可能な有機太陽電池を開発した。これは電池の発電部分の特性に依存せず、デバイス全体に伸縮性を付与するもの。他の材料にも適用可能であるため、伸縮性有機太陽電池の開発に新たな道を開くことが期待される。

研究グループは、有機太陽電池を構成するそれぞれの層に伸縮性を備えた材料を適用することで太陽電池全体の伸縮性を向上させた。さらに、透明電極とポリウレタン基板との界面接着を強化させることで主に発電層で発生した引張ひずみを下層に分散させたという。

そのことにより、有機太陽電池全体の伸縮性を向上させながら、高い エネルギー変換効率（PCE ）を保持することに成功したとしている。

グループは「高性能な伸縮性有機太陽電池の実現に向けた新しい道を切り開き、衣服に貼り付けることができる環境エネルギー電源として、ウエアラブルデバイスや e-テキスタイル用の電源開発の未来に大きく貢献する」とコメントしている。