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地震後の地殻変動プロセスを解明 マントルを構成する物質の遷移クリープ現象 愛媛大

愛媛大学と高輝度光科学研究センターの研究グループは、大地震後におきる地殻変動のプロセス解明につながる実験に成功した。マントルを形成する「カンラン石」で、本来の粘性よりも低い粘りで流動する「遷移クリープ現象」を確認し、地震後の地殻変動を正確にモデル化することが可能になったという。

地殻変動で測定されるマントルの粘性は、通常時よりも小さいことが先行研究で知られている。これが低いほどより激しい変動をもたらす。

動きは数年~数十年の間継続し、時間の経過とともに粘性は上昇し、通常値に近づいていくことも分かっている。

愛媛大のグループは地殻変動に影響を及ぼすマントル最深部の圧力条件下でのカンラン石の変形実験を大型放射光施設「SPring-8」で実施。その結果、遷移クリープ現象はバーガースモデルという理論で説明可能であり、大地震後の変化が数年~数十年間継続する現象が説明できることが明らかとなった。

グループは「今後は余効変動による地表の地殻変動がより正確に予測可能となる」と評価している。