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再発・難治性悪性脳腫瘍に対する新規治療薬「64Cu-ATSM」の安全有効性を確認 承認申請に向けた治験を開始 がん研など4団体

国立がん研究センターと神奈川県立がんセンター、ベンチャー企業「リンクメッド」、量子科学技術研究開発機構(QST)からなるチームは25日、新たな放射性治療薬「⁶⁴Cu-ATSM」の難治性がん患者を対象とした臨床試験で有効性を示したことを発表している。今年6月から脳腫瘍に対する64Cu-ATSMの承認を目指す試験を実施しているという。

試験では希少がんの悪性神経膠腫・中枢神経系悪性リンパ腫と転移性脳腫瘍などの患者を対象に⁶⁴Cu-ATSMの投与試験を2018年から実施していた。

その結果、7日ごとに4回の投与が推奨されると分かった。また、有効性は投与した患者18人のうち14人は6カ月以上、12人に1年以上生存するという影響が見られた。脳腫瘍である「膠芽腫(こうがしゅ)」患者は9人のうち5人が1年以上生きることができており、良い作用が期待できるという。

現在、膠芽腫を含む再発・難治性の悪性神経膠腫の患者に、64Cu-ATSM の治療による生存期間の延長効果を調べる治験を24年6月に開始している。29年3月まで行う。