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先天性心疾患「シミター症候群」をDouble-decker法で初手術 初成功 近大チーム

オンライン会見に参加する小田晋⼀郎客員教授

近畿⼤学病院(⼤阪府⼤阪狭⼭市)坂⼝元⼀主任教授と⼩⽥晋⼀郎客員教授、浅⽥聡講師らのチームは、稀な先天性⼼疾患で呼吸障害などにつながる「シミター症候群」と診断された2歳児に対して前例のない術式での修復⼿術を実施して成功した。Double-decke法という方法を応用したという。今後、汎用性の高い術式となることが期待できる。

シミター症候群は先天性の⼼⾎管疾患で、右肺静脈が左⼼房ではなく下⼤静脈に還流する肺静脈還流異常だ。乳児に⾒られる稀な疾患で、発⽣率は⼀般的に10万⼈あたり1〜3例とされる。

2歳女児をシミター症候群と判断してCT検査の結果から⼿術の術式の検討を⾏った。従来術式では成績がよくないため、手術に携わった小田客員教授は、部分肺静脈還流異常症の治療に⽤いているDouble-decker法の応⽤によって改善できるのではないかと判断した。

初の手術様式であったが、問題なく回復して10日後には退院することができたという。

チームは「シミター症候群の従来の⼿術では、術後に閉塞や狭窄(きょうさく)が⽣じるケースがありましたが、今回の術式により術後閉塞のリスクを軽減することが可能である」と評価している。

浅田講師は、シミター症候群の手術成績が従来法で行くと悪いということを家族に話、今回の術式をやる可能性を話した。従来法では成績がよくないからためさせていただきたいとした。初回の外来で手術について話した。それ以前に当院小児科でカテーテルなどコミュニケーションをとった。