屋外活動で近視患者が少なくなるイメージ
京都大学の木戸愛客員研究員らのグループは、屋外活動の時間を増やすことが子どもの近視の進行予防になるかどうかは不明確なものの、その発症予防につながる可能性は高いことを明らかになった。ランダム比較の試験結果を統合して解釈する「システマティックレビュー」で未然の防止効果が示されたのは今回が初めて。
近視は近くのものははっきりと見える一方で、遠くのものがぼやけて見える状態。適切な眼鏡やコンタクトレンズで矯正を行わないと日常生活に不便が生じる。近年は緑内障や網膜剥離など眼科疾患の危険因子となることが知られている。
グループは近視の進行抑制を目的に子どもの屋外活動時間を増やす介入をしているランダム化比較試験を実施した。対象は小学生約1万人。屋外時間を多くすることで、介入群の禁止発症率は1年後は2.4%、2年後は4.2%、3年後は9.3%低かった。
研究者らは「本研究の結果が、世界的な健康問題である近視増加を食い止めるための、ひとつの重要なエビデンスとして生かされることを期待している」とコメントしている。