大阪公立大学の土井俊央講師らの研究グループは、スマートスピーカーを使用したことがない学生を対象に、客観的かつ主観的な使いやすさを分析した。指示をうまく聞き取れないことへの不信感などスマートスピーカーならではの課題も明らかになっている。
研究では39人の学生を対象に、コンピューターと人間が音声でやり取りする「音声ユーザインターフェイス」(VUI)を初めて使う人の学習性の観点から商用スマートスピーカーを分析した。画面と音声操作、リモコン操作による4条件で未経験の協力者に10回の課題を行ってもらって解析している。
その結果、いずれの条件でも2~3回で習熟するものの、使いやすさ評価の程度は変わらなかった。また、システムからのフィードバック欠如や応答ミスによる不信感が問題として示唆されている。
土井講師は「技術的な観点の検討も重要だ」とした上で、「製品に不慣れな人でも取り残されることなく、きちんと便利さを享受できるように使いやすさや受け入れやすさの向上につながる研究を進めていきたい」とコメントしている。