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30年以上の透析でフレイルや寝たきりが増加 男性の割合は小さい 新潟大など4機関

新潟⼤学と福島県⽴医科⼤学、九州医療科学⼤学、⽇本⼤学の研究グループは、⽇本透析医学会統計調査データベースのデータを解析し、透析患者の透析期間が⻑期化するとフレイルや寝たきりの頻度が多くなることを発⾒した。

透析を続ける人の中にはフレイルや寝たきりとなる人が多くいおり、日本では30年以上の超長期透析患者が増加する傾向にある。だが、臨床的な特徴は明らかになっていなかった。

研究グループは50歳以上の透析患者約23万人のうち、透析歴30年以上の症例の特徴は、他の透析期間の症例と比較して男性の割合が小さく、糖尿病の合併や認知症が少なかった。また、栄養指標が悪い傾向にあることが分かっている。反対に、大たい骨骨折と手根症候群の手術既往は多かった。

透析期間の⻑期化は透析患者の⾝体機能の低下に関連することが⽰唆された。フレイルや寝たきりの原因となるような背景因⼦で調整した結果であり、現在の透析療法では対応できていない、未発⾒な課題がある可能性も考えられるという。

グループは「今後、どのような背景因⼦が⻑期透析患者のフレイルや寝たきりの発症に関連するかということを明らかにする縦断研究が必要だ」とコメントしている。