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効率的に力を開放できる断層ほど地震頻度は少ない できない地域は多い 九大×東大

九州大学の松本聡教授と東京大学の加藤愛太郎教授らのグループは、2000年の鳥取県西部地震の震源周辺で1000点を超える地震観測を実施。観測から得られたデータを解析して、効率的に力を開放できる断層(強度の高い断層)に焦点を当て、強い断層ほど大きな地震が発生しやすい傾向があることを見いだした。

研究グループは鳥取県西部地震の余震活動地域に17年から1年強の間に、1000点を超える地震観測点を設置した。その結果、非常に小さな規模の地震を検出することができ、その際の断層の向きも決定することができたという。

このデータを使って、地震活動の規模別頻度の傾きを表す「b値」を求めた。すると、地域にかかっている力に対して、効率的に力を解放できる断層では大きな規模の地震が起こり(b値が小さい)、逆に強度の低い断層では地震が起こりにくいことが示されている。

グループは「今後は大きな地震の発生した地域や地震活動の活発な地域で同様の調査を進めることで、さらに定量的な関係を明らかにすることができると考えられる」としている。