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動物病院で手洗いなど呼びかけるプログラムを実施 薬剤耐性菌が9割減少 北大調査

北海道大学の笹岡一慶助教らの研究グループは、手洗いやアルコール消毒、環境衛生の徹底を呼びかける「感染症対策プログラム」を動物病院で開始した。その結果、スタッフの衛生意識が向上し、薬剤耐性菌の分離菌数が減少したことを明らかにした。

研究グループは2016年1月~22年12月に調査を実施した。対策前の期間16年1月~18年3月とプログラム開始後の期間18年4月~20年2月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行期間20年3月~22年12月の3機関で分析を行った。また、スタッフを対象にしたアンケートも実施している。

すると、プログラム開始後から細菌分離数と多剤耐性菌分離菌数が減少したことが認められた。これらの菌数はCOVID-19流行の前後では変化せず、プログラム開始後に認められたとしている。多剤耐性菌の分離菌数は対策後に 25%減少したという。

アンケートの結果をみると、プログラム開始前には「患者に触れる前に手指衛生をするべき」と回答する人が約6割と低かったが、開始後に9割に改善していた。さらに衛星資材の年間購入量の増加も確認された。