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建物の地震危険度を指標化する技術を開発 東日本大震災で被害のあった建物で高い値 特許出願 広島大など

1月1日の能登半島地震で破壊されたとみられるビル=石川県七尾市

広島大学とレトロフィックジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険は19日、地盤と建物の振動を計測して地震危険度を指標化する技術を開発し、特許を出願したと発表した。建物の居住者などに地震の安全性を示すことが可能になるという。

研究では地盤と建物のデータから揺れやすさと共振しやすさを表す指標であるKg値とR値を発明。Kg値は揺れやすさを表し、地盤が軟弱で厚いほど大きくなる。また、R値は共振を示して高い建物ほど強くなる特徴がある。

AI技術を使って微動と呼ばれる日常的な揺れを10分~1時間ほど計測することで確認することができ、大がかりな装置は不要だという。東日本大震災で甚大な被害が確認された建物で計測したところ、高い値が認められ有効性が示されている。

3者は今後について、「中高層建物を対象として計測事例を増やし、各地域や建物のKg値やR値の特徴を調べる」とし「KgとR値の両者の値を用いることで、対象地点における総合的な地震危険度を指標化する方法も検討予定だ」と説明している。