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膀胱炎の原因は膣と尿の大腸菌 膣内環境を整える対策が大切 岡山大と群馬大

岡山大学の定平卓也助教らと群馬大学の共同研究グループは、反復性膀胱炎のある閉経後の女性の尿中と膣内の大腸菌が、遺伝子型と抗菌薬への感受性が一致していることを突き止めた。新たな膀胱炎の予防や治療法の開発に貢献しそうだ。

大腸菌は、膣から膀胱に移行して反復性膀胱炎を引き起こす原因菌とされるが、患者の尿と膣内の大腸菌を比較した報告はほとんどなかった。これらの関連性を確認するため、7人の患者の解析を行った。

その結果、閉経後の女性の膀胱炎による尿と膣内の大腸菌は、遺伝子型と抗菌薬感受性で患者ごとに一致していることが明らかになっている。膀胱炎を管理するためには、尿だけでなく腟に定着した大腸菌を標的とすることが不可欠であることを見いだしている。

グループは「以前より我々は、抗菌薬に頼らない新たな予防法として、乳酸菌腟坐剤の実用化を目指し研究している。早く皆さんのお役に立てるよう、これからも研究を続けていきたい」と意気込んだ。