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教員のICTスキル、オンライン授業の実施に無関係 残業時間には影響 慶応大

慶応義塾大学

慶応義塾大学の赤林英夫教授らの研究チームは、学校の情報設備と教員の ICT スキルが双方向オンライン授業の実施と、学校閉鎖中や再開後の残業に与えた影響を分析した。影響を与えたのは設備であり、教員のスキルではなかったと18日に発表している。

研究では、2020年3月の学校ICT資源が4~6月の学校休業期間やその間の「同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習」、「同時双方向型のオンラインシステムを通じた連絡」に与えた影響、4~8月までの残業をした教員の比率に与えた影響を、自治体ごとに集計されたデータを用いて分析した。

その結果、オンライン授業の決定要因はデジタル設備の有無であり教員のICTスキルとは関係がないと確認されている。また、ICTの力が低い教員が多いと残業をする人数が増え、高い人がたくさんいれば残業時間が減ることが分かっている。

赤林教授らは「ICTを含めた教員研修の詳細と教員のスキルやICT活用に関するより詳細なデータが取られることで、具体的政策に踏み込んだ問に答えることが可能になる」と説明している。