NTT東日本
日本電信電話株式会社(NTT)は、スマートフォンを使って短時間の繰り返し運動のばらつきを評価することにより、器用さの度合いを見える化する方法を開発した。利き手を矯正した人は、両方とも不器用でなくなることが分かっている。
研究ではスマホを手か足に装着して15秒間繰り返し回す運動の加速度のばらつきを評価するアルゴリズムを開発した。4~88歳までの計608人から得たデータを解析し、不器用さは成長につれて減少し、一定になった後、加齢により増大すると分かった。さらに、利き側の手足の不精密さが、そうでないほうよりも小さいと確認されている。
次に、利き手と非利き手の違いやばらつき度の左右差がトレーニングに影響されるかを検討するため、右利き、左利き、右手への矯正者に分けて評価。右利きは左手の器用さが小さく、左利きは右手のばらつき度が大きかった。右手を使うように矯正された人は、両方ともばらつき度が少なかった。
また、ばらつき度を手の右と左利き、矯正のグループに分けて分析した。右利きの人は右足のばらつきが少なかったのに対し、左利きの人は左と右足のばらつきに差はなかった。右手を使うように指導された人も、左より右足のばらつきが小さかった。
矯正トレーニングは、両手の器用さ度合の違いを変化させるだけでなく、足の同度合の左右差にも影響を及ぼすと認められている。
NTTは「器用さの向上が容易に可視化できるため、スポーツジム、部活動、リハビリ施設などスポーツ分野や医療介護分野で、個人の器用さのモニタリングや評価などに活用できる」としている。