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赤血球とミトコンドリアを破壊するナノプラスチック 土壌中濃度の測定技術を開発 産総研と早大

土壌中のナノプラスチックのイメージ

産業技術総合研究所の井本由香利主任研究員と早稲田大学の川邉能成教授らは、マイクロプラスチックよりも人体に影響が大きいナノプラスチックの土壌中濃度を測定する技術を開発した。

ナノプラスチックは赤血球を破壊し、細胞に侵入してミトコンドリアDNAに損傷を与えることが明らかになっている。人へのナノプラスチックの曝露(ばくろ)量を評価するために、土の中のナノプラスチックの濃度評価手法を確立する必要があった。

研究の結果、ナノプラスチックの土粒子への吸着を考慮した検量線を作成することで、濃度を正確に測定できることが判明している。測定できる下限は1グラム中の0.2ミリグラムのナノプラスチックであると確認された。

研究グループは「環境土壌におけるポリエチレンやポリエチレンテレフタラートなどのナノプラスチックを定量し、地圏環境におけるナノプラスチック分布とその移動について明らかにしたい」とコメントしている。