文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
爪での水虫増殖を防ぐための標的発見 水虫薬開発に貢献 武蔵野大×明治薬科大×帝京大

水虫イメージ

武蔵野大学と明治薬科大学、帝京大学のグループは、水虫の原因菌である「白癬(はくせん)菌」の菌糸成長に必要な分子を特定した。その阻害剤が人の爪の菌増殖を抑制できることを米科学誌に掲載している。新たな水虫対策の薬の開発につながりそうだ。

水虫は日本人の約2割がり患していると推測されているが、その治療薬は限られており薬剤開発が求められている。

研究グループは白癬菌の成長に必要な分子を探すため、低分子量Gたんぱく質に着目。Gたんぱく質「Cdc42」と「Rac」が成長を促進していると示唆された。遺伝子組み換え技術を用いて、Cdc42の発現量抑制に加え、Racを欠損させると発達が抑えられることを認めている。

白癬菌Cdc42とRacを阻害可能な化合物を探した結果、低分子化合物「EHop-016」がそれらを妨げ、培地での菌の増殖も防ぐことを突き止めている。爪の上に白癬菌の胞子液を塗った上で、EHop-016を付けることで水虫から爪を防御したという。

グループは「研究結果により新たな治療薬の発見につながるものと期待される」とコメントしている。