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カフェイン濃度で老朽化した下水管の漏れを発見 漏水を探し出す技術に貢献 広島大

広島大学の尾崎則篤准教授は12日、老朽化した下水管のある市街地で、雨水流出管のカフェインなどを追跡した。カフェインの濃度は時間が経過するほど、高くなっていることが明らかになった。

都市部では雨水排水と生活排水を分けて下水管が設計されている。だが、老朽化により雨水が家庭排水管に流入したり、その逆の現象が起きたりする可能性がある。しかし、これらの影響を確認する調査方法は発展しておらず課題となっている。

尾崎准教授らは5つの市街地の雨水流出管でカフェインと香料物質、多環芳香族炭化水素を追跡したモニタリングを行った。

すると、40年以上経過した下水道区域のカフェイン濃度は、10年経過した場所よりも2桁高く、生活排水の1~10%に相当する濃度に達していた。これは、汚染水の漏れが生じていることを強く示唆しているという。

研究グループは「この手法を生かして見えにくい公共用水域への影響を明らかにしていきたい」としている。