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医師と患者の認識のギャップ、約7割に存在 患者報告指標で改善 慶応大調査

慶応義塾大学

慶応義塾大学の池村修寛研究員らは、不整脈の一種である「心房細動」の患者と担当医を対象に行った研究の結果を発表した。患者が報告する症状と健康状態、医師の認識にギャップがあるとし、直接得られた情報のみを記載する患者報告指標(PRO)が有用であることを明らかにしている。

330人の心房細動患者を対象に調査したところ、担当医は218人の患者の症状を過少・過大評価していた。

その認識の不一致が1年後に与える健康状態への影響を分析。その結果、過小評価された人たちは健康状態が改善しづらく、医師からの積極的な治療が受けにくい傾向にあることが判明している。

医師の問診に加えて心房細動に特化した患者報告指標「AFEQT」を使った診療を取り入れることで、より良い治療が提供できると考察し、グループは「臨床データの解析により得られた知見を診療に生かすことで、より患者のニーズに沿った医療を提供できる」としている。