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金沢大とKAGAMI 慢性腎臓病治療のためのD-アラニン製剤の影響を確認 治療法開発に貢献

金沢大学の大島恵特任准教授らは、KAGAMIとの共同研究で腎臓病への臨床応用に向けて開発された「D-アラニン製剤」の健康成人における動態と安全性を確認した。臨床応用が期待されている。

慢性腎臓病(CKD)は腎障害が3カ月以上持続する疾患で、国内に1330万人の患者がいると推計される。進行すると死亡のリスクもあることから、進行を予防する治療法開発が求められている。

先行研究でマウスにD-アラニンを与えると、腎機能の悪化が抑えられることが分かっている。だが、人に対する効果は明らかになっていなかった。

研究では、D-アラニンの経口製剤を開発し、腎機能の低下のない健康な成人に7日間のD-アラニンを飲むことによる体内のアミノ酸代謝と腎機能の変化、安全性を確認。摂取する群とそうでない集団に分けて、比較評価した。

その結果、血液中のD-アラニン喉が両方の群で2日目に増加。摂取中は維持されて、腎機能を示す数値も大きくなった。日常生活の制限や入院などが必要となる副作用も見られなかったという。

グループは「アミノ酸をターゲットにした CKD の治療法開発などの臨床応用への発展が期待される」と評している。