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能登半島地震の波形データを解析 10秒の初期破壊が拡散 リスク評価で重要知見 筑波大×京大

1月1日の地震で破壊されたとみられるビル=石川県七尾市

筑波大学と京都大学は令和6年能登半島地震の地震波形データを解析し、複数の断層を破壊する震源課程を明らかにしたと発表した。「向きや傾斜の異なる断層を破壊する課程は、地震による被害リスクを評価する上で重要な知見を与える」としている。

研究では逆断層型の地震メカニズムで特徴づけられる断層破壊が、複数のパターンで起きていたことが判明している。

研究チームによると、発生直後に震源付近を10秒ほどかけて西方向へ初期破壊が進行。その後、破壊はさらに西に進み、長さ65キロの断層を壊すプロセスが起きた。一方で、震源の東側では長さ50キロの領域を壊し、40秒ほどで動きが停止したという。

能登半島地震では短い時間の初期破壊を経て、向きや傾斜の異なる断層を破壊する複雑な過程を経ていたことが分かっている。研究グループは「近年、大地震の発生機構が複雑であることが明らかになってきたが、この研究は大地震の複雑な発生機構を理解する上で重要だ」と説明している。