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琵琶湖で新種「アザイカワニナ」を発見 戦国大名に由来 京大など4機関

アザイカワニナ

京都大学と国立遺伝学研究所、高知大学、摂南大学の研究グループは、琵琶湖の底で採れたカワニナ属の解析によって、琵琶湖固有の巻貝「カゴメカワニナ」の分類を再定義し、新種の「アザイカワニナ」を発見した。

淡水に生息する巻貝のカワニナは琵琶湖で多様化を遂げており、日本で見つかった21種のうち18種が琵琶湖の固有種だ。それらは2つの近縁種群からなると分かっている。

チームはそのうちの一つヤマトカワニナのグループを分析している中で、新たな種類を発見しアザイカワニナと名付けた。分布域が滋賀県北東部であり、戦国大名の浅井氏の最大勢力と一致することに由来する。

グループに参加した京大の澤田直人大学院生は「琵琶湖のように狭い範囲で多種のカワニナを観察できる場所は世界的にも珍しく、大規模に多様化したカワニナは種分化や種間の相互作用に関する興味深い問題を提示してくれる」とし「今後もカワニナ属が辿ってきた進化史の解明に多角的に挑みたい」と意気込んだ。