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世界の一酸化二窒素が1980年から4割増 主要因は農業活動 中国が最も排出 東大などのG

世界のN₂O収支

東京大学などが連携する国際研究プロジェクト「グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)」は12日、地球温暖化の原因となる一酸化二窒素(N₂O)の発生源を網羅したデータを公表した。40年間で排出量が約40%増加し、要因は農業活動であると確認されている。

GCPは58人の研究グループで大気中のN₂Oデータや地表の排出・吸収の情報を計測した。

それによると、1980~2020年に排出量は約4割増加しており、欧州ではその量が減少した一方で、中国では増加して最大の排出国となったという。農業が最大の理由で、窒素肥料や堆肥の使⽤増加が要因だ。他にも、産業活動や廃棄物、バイオマス燃焼なども原因となっていた。

GCPは「近年の⼤気中N₂O濃度は想定を越える速度で上昇していて、本報告を踏まえて排出削減を早急に進めるとともに、世界全体でN₂Oの収⽀を監視するネットワークを構築する必要性がある」と警鐘を鳴らしている。