インターネットの使い過ぎなどによって起きるメンタル不調のイメージ
東京都医学総合研究所と国立精神・神経医療研究センター、東京大学の研究グループは、思春期のインターネットの不適切使用が精神病症状および抑うつといったメンタルヘルス不調のリスクを高めることを確認したと発表した。
不適切使用はインターネット使用によりイライラする、家族や友人関係などに支障が出る、時間を使い過ぎるなどの状態を指すという。
グループは2002~04年に生まれた未成年3171人を対象に10、12、16歳の3時点で評価。インターネットの不適切使用と16歳時点での精神病症状と抑うつとの関連を調べた。
調査の結果、インターネットの不適切使用が精神症状と抑うつリスクを高めることが示されている。具体的には12歳時の不適切使用が、16歳での精神病症状と抑うつをおよそ1.6倍に高めていた。男女差を見ると、女性が抑うつになりやすいことが確認されている。
グループは「インターネットは現代人の生活に欠かせないツールであり、とりわけ若年者は使用時間が長いことが示されている」と説明。「その便利さや楽しさとは裏腹に、本研究で示されたようなリスクも認識しておく必要があると考えられる」とコメントしている。