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加齢による筋肉量の減少「サルコペニア」 判定に中性脂肪と善玉コレステロール比が有効 福井大など

福井大学の大西秀典助教と福井県立病院の高橋和暉医師ら研究チームは、サルコペニアと脂質異常の関係性を調査し、サルコペニアの危険因子は年齢と中性脂肪(TG)、善玉コレステロール(HDL-C)の比(TG/HDL-C比)である可能性を示唆している。サルコペニアの早期診断が容易になり、健康寿命の延伸が可能となるかもしれない。

サルコペニアは加齢や疾患で筋肉量が減少し、身体機能の低下が生じる状態を指す。チームは2019年6月~21年11月まで、健康診断を5回行って158人を対象に解析した。

それによると、サルコペニア群のHDL-C値は、正常群やプレサルコペニア群と比較して低く、TG/HDL-C比は高くなった。また、年齢とTG/HDL-C比が大きくなっていた。さらに、このグループはサルコペニアなしの集団よりも骨格筋量指数とHDL-Cが有意に小さくなっていた。

サルコペニアのリスク因子は、年齢とTG/HDL-C 比と推測された。

大西助教らは「サルコペニアは疾患の発症や治療成績などに様々な悪影響を及ぼしうることから、高リスク群への早期介入が重要だ」と訴え、「TG/HDL-C比とサルコペニアの関係性を明らかにすることは、今後定期健診などでより簡単にサルコペニア危険群を抽出できる可能性がある」としている。