大阪大学の福田知弘准教授らの研究グループは、3Dマップでカメラの位置を推定する「ビジュアルポジショニングシステム(VPS)」とカメラ移動の追跡を行ってドローン視点の複合現実(MR)を実現するシステムを開発した。この方法では、一般的なドローンを用いて飛行ルートのMRを実行できる。
研究では任意のルートで操縦したドローンの現在位置を推定することによって、現実と仮想世界の動きを一致させることを目指した。
システムでは画面共有によってドローンの映像をゲームエンジンに入力し、仮想世界の映像と重ね合わせる。出力されたMR映像がストリーミング配信でユーザーに共有されVPSとカメラ移動の追跡で位置合わせを行う。
研究グループはこれまでにも提案されていたこの位置合わせシステムを先行研究のものと比較して、今回の体系がより高精度であることを確認している。さらに、高い精度での安定感も認められた。
グループは「実際の利用を想定したドローンMRアプリケーションを実装したわけではないが、提案した位置合わせシステムは汎用性が高いものであり、将来的には様々な機能を付加することができる見込み」とし「建築プロジェクトの計画から点検まで幅広く活躍するドローン視点MRの実現に近づいた」とコメントしている。