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治療手段のない悪性神経膠腫、i-PDT治療の実験を実施 長時間照射が効率的 東京医科大

東京医科大学の河野道宏主任教授らの研究チームは、生存率が低い悪性神経膠腫に対する組織内光線力学的療法(i-PDT)の実用化に向けた動物実験で有用性を示すことに成功した。

悪性神経膠腫は5年生存率が15%であり、がん腫の中でも予後が悪く、過去10 年でブレイクスルーとなる治療法も確立されていない。新規の治療法が望まれている。現状では有効な治療手段の存在しない悪性神経膠腫に対する新たな治療法として、摘出を前提としないレーザー治療i-PDTが有望視されている。

チームは国産の光感受性物質「タラポルフィンナトリウム」を使ったi-PDTの動物実験をした。ヌードマウスに悪性神経膠腫細胞を移植し、10ミリ程度の腫瘍塊を形成した時点でタラポルフィンナトリウムを投与。90分後に腫瘍中心へ細径ファイバーを挿入し、664ナノメートル波長のレーザー照射を行った。

その結果、PDTは短時間高エネルギーよりも長時間低エネルギー照射が、効率的に殺腫瘍効果が得られることが明らかとなった。今後について河野主任教授らは「PDT反応には、免疫系細胞が多く関与することが報告されているため、脳腫瘍と同一系免疫のラットモデルで免疫学的検討を行っていく予定だ」としている。