広島大学の山根典子教授らは先月末、オンライン面接ではカメラを見て話すと高評価につながりやすいという研究成果を発表した。一方で、視線が向いていなかった場合は下がるという。
研究グループは大学生12人に模擬面接を実施。視線がカメラまたは画面に向いている2パターンで、60~90秒の面接映像を録画した。また、音声のみを抜き出したものも作成し、これら3つの映像及び音声を社会人38人に視聴評価してもらった。
研究によると、就活生がスクリーンを注視した条件では面接官からの評価が低下した。また、視線方向によるバイアスは男性と比べて女性に大きい可能性が示唆されている。
これを踏まえてチームは就活生に対して「画面上の相手の顔を見ている時は、相手からは視線があっていないように見られていることを知ってほしい」と発信。面接官へ「優秀な候補者に不当に低い評価が下される可能性がある。カメラ目線でプレゼンしてくださいといったお願いがあるとよい」とアドバイスをしている。
山根教授らは今後について、「ジェスチャーや声の調子といったさまざまな非言語情報が、相手にどのような影響を与えるのか、言語学習の際にどのような役割を果たしているのかについて研究していく」と意欲を見せている。