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脳虚血巣の回復過程を生体脳で可視化 臨床病型で回復プロセスに違い 名古屋市立大

名古屋市立大学の打田佑人研究員らの研究チームは、米ジョンズホプキンス大学の大石健一教授と共同で、脳梗塞後のリハビリテーション患者の脳虚血(のうきょけつ)巣の回復過程を生体脳で可視化できることなどを明らかにしている。

脳梗塞を発症した患者にとって、脳梗塞後のリハビリは重要だ。研究では、脳梗塞を発症してリハビリを行った患者を対象に、最新のMRIを用いて脳虚血巣の鉄沈着量と髄鞘(ずいしょう)化の程度を縦断的に定量化し、神経学的予後との相関を調べた。

チームは2020年8月~22年3月に脳梗塞となった患者112人の属性や身体・神経学的検査を記録した。また、MRI検査に同意した32人にリハビリ前後の脳MRIと神経学的検査をしている。

その結果、脳梗塞後のリハビリ患者の脳虚血巣の回復過程を生体脳で可視化できること、脳虚血巣の鉄沈着量と髄鞘の縦断的変化が神経学的予後と関連すること、脳梗塞の臨床病型により虚血巣の回復過程が異なると確認されたとしている。