ジャガイモ
名古屋大学の竹本大吾教授らと京都大学の加藤大明特定研究員らのグループは、ジャガイモの病原菌「フィトフィトラインフェスタンス」の細胞膜成分から、植物の免疫力を活性化する2種類の物質を特定した。3日付で米科学誌「プラント・フィジオロジー」に掲載されている。
研究ではジャガイモの免疫を活性化する 2 種類の物質「Pi-Cer D」「Pi-DAG」をジャガイモ疫病菌から精製し、構造を明らかにした。これら物質をジャガイモに処理すると疫病菌の発病が抑制され、イネやアブラナ科の植物でも免疫を活性化させることを確認したという。
研究グループは、植物の持っている病原菌への抵抗力を引き出す「バイオスティミュラント資材」として活用することで、環境負荷が少ない病害防除法が確立できると期待を寄せている。
竹本大吾・名古屋大学教授
竹本大吾教授は今後について「すでに発売している資材に研究成果を利用してより良いものにできるとよい」とコメント。「カビの病原菌全般にも効く可能性がある」と評価している。