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環境DNAと画像観察で海山周辺の深海生物を把握 併用で包括的に発見 産総研

産業技術総合研究所の井口亮主任研究員らは、水中のDNAを調べてその地で生活する生物を探る「環境DNA(eDNA)手法」を用いると、画像観察で見過ごされてきた種だけでないより多くの深海生物を捉えられることを明らかにした。それぞれの方法を併用することで見つけきれなかった生き物も確認できるとしている。

近年、eDNA 手法と画像観察を併用した調査が行われている。だが、深海底における観測例は限られており、特に海山域を対象にした研究はなかった。

研究グループは北西太平洋の海山でeDNA手法と画像観察で得られた結果を比較した。eDNAと画像観察を併用した解析の結果、計18科の深海生物を検出した。検出パターンはそれぞれの方法で異なり、画像観察では小さいサイズの魚類を捉えることが困難でeDNAでも効率的に発見できない生き物が存在していたという。

産総研は「個別の手法に基づく研究成果の発表は増えていますが、eDNA 手法と画像観察を比較し、併用による相乗効果を明確にした研究例はほとんどない」とし「研究成果は、今後の深海域における環境モニタリング戦略構築のための重要な知見をもたらす」と評している。