宮崎大学の横上聖貴准教授の研究グループは31日、良性髄膜種(ずいまくしゅ)では石灰化が起こることがあり、その場合に増殖が抑えられることに注目。石灰化に関わるBMP(骨形成たんぱく)シグナルを制御して悪性髄膜腫の増殖をコントロールする過程で石灰化を細胞老化で誘導できると発見。さらに、アミノ酸代謝の再編が関与していることを世界で初めて証明した。
髄膜腫は脳に発生する腫瘍の中で最も多く、脳腫瘍のおよそ3分の1を占める。髄膜種はほとんどが要請で、腫瘍が拡大しないのが一般的だが、悪性の場合は頻繁に再発し、外科治療以外の補助療法が必要になる。補助療法は放射線治療しかないが、効果がない症例では次の選択肢がないという課題がある。
研究成果は米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロ・オンコロジー」に掲載されている。