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マイクロサイズのロボットを群体制御 病気の治療や診断に貢献する大きな一歩 東北大・京大

分子ロボットの群体

東北大学の野村 M. 慎一郎准教授らと京都大学大学院理学研究科の角五彰教授らは31日、マイクロ(1000万分の1メートル)からナノメートル(10億分の1メートル)の無数の分子ロボットを思い通りに制御する技術を開発したと発表した。分子ロボットによる医療応用などの実現に向けた重要な一歩となった。

近年、分子ロボティクスと呼ばれる分野に注目が集まっている。これは人工的に設計された分子デバイスを組み合わせ、信号を介して動作させることで、自律的に動く分子システムを実現しようとする新しい研究領域だ。

研究グループは自動的に群体を作った後に、分解させる命令を出す「分子コントローラー」を開発した。コントローラーは処理を開始すると分子ロボットは自ら形を組み立て、分解を行うことに成功している。

グループは「一次ミッション完了後、一旦解散し次の指示を待つということが可能になれば、治療の幅がより広がる」と期待を寄せている。