コアラと生息地、腸内細菌のイメージ図
北海道大学の近藤虎太郎大学院生と早川卓志助教らの研究グループは、コアラのユーカリの好みが遺伝的背景や腸内細菌と関係していることを解明した。これを詳細に調べて、コアラに適切なユーカリ種を把握することは、動物園での給餌効率の上昇に貢献できる可能性があるという。
コアラはオーストラリア東部のユーカリ森林に生息し、その葉を食べて生きている。コアラはたくさんの種類があるユーカリから自身が消化をしやすいものを選んで食べているが、なぜ特定の種が消化しやすいのかは分かっていなかった。
研究グループは、日本の飼育コアラが生息していたオーストラリアの地域とユーカリへの選り好み、腸内細菌について調べた。その結果、日本のコアラはオーストラリアのさまざまな地域から来ており、生活した場所と採食行動、腸内細菌は関係があることが判明している。
研究グループは「腸内細菌を調べることで、飼育コアラのユーカリの選り好みを減らし、動物園での給餌効率を上げることができるかもしれない」と期待をよせている。