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ガラス表面発生した「ナノ水滴」を観察 湿度50%で発生 金沢大

金沢大学と分子科学研究所のグループはガラス表面でナノメートルサイズの水滴が形成する様子を捉え、それらの微小な水滴が動き回る特異な挙動を観察することに成功した。ガラス以外の物質でも見られる現象であるのかを検証していく予定だという。

グループはナノスケールでの表面構造観察を可能にする顕微鏡(FM-AFM)を使ってガラス表面の湿度に応じたミクロなぬれの様子を直接観察した。

相対湿度30%から試料周囲の湿度を上げつつガラス表面を観察したところ、50%付近でガラス表面に数百ナノメートルの水滴(ナノ水滴)が発生した。そのサイズは湿度が80%を超えてもほとんど変わらず、高湿度環境でも水滴の状態を保っている様子が確認された。

ガラス表面の凝着力を測定するとナノ水滴が形成されていないエリアで、湿度の上昇に伴って凝着力が増大していることが明らかとなった。これは何らかの液膜が形成していることを示唆しているという。

また、ナノ水滴が形成されたところとそうでないところで凝着力を比べると、ナノ水滴よりも液膜の粘性が高いことが明らかとなり、液膜は水とは異なるものである可能性が示されている。

グループは「明らかとなったナノ水滴が動くという現象から触媒効果など他の現象にも影響を及ぼしている可能性が浮上した」とし「今後、ナノ水滴の挙動をさら調べ、そのメカニズムを解明することで固体材料表面でのミクロな水のはたらきを理解できる」としている。