大阪公立大学の沢田明也病院講師らの研究グループは、日本の好酸球性食道炎(EoE)の罹患(りかん)率を調査した。10万人あたり約3人が患っており、2017年と比較して3倍に増えていることが分かっている。
EoEはつかえ感や胸やけなどを引き起こす指定難病だ。原因は食べ物や空気中に浮遊しているアレルゲンで30~40代の男性に多い。欧米では30年前から患者が増えていたが、日本では調査が行われておらず動向が不明であった。
研究グループは05~22年に収集した1520万895人のデータを用いて罹患の割合を調査した。
その結果、22年の罹患率は10万人あたり2.82人で17年の0.93人と比べて大きく増えていた。関連因子として喫煙が発症リスクの低下、飲酒が上昇に寄与していると判明している。
沢田講師は「大規模データを用いることで実際に罹患率や有病率の増加を確認することができた」とコメント。「今後、さらなる疾患認知度向上につながることを期待している」とした。