九州大学の藤井秀道教授らは、日本企業2100社を対象にデータ解析を行い、企業の気候変動対策が資本コストに与える影響を明らかにした。環境問題対策を促す政策立案に有用な情報として活用される可能性がある。
調査によると、炭素パフォーマンスが悪いほど株主資本コストと負債コスト、加重平均資本コストが増加すると判明した。企業が売上高に対して多くの二酸化炭素(CO₂)を排出する場合、より高いコストが求められる傾向にあることが示されている。
また、企業の気候変動対策は株主資本コストを低減させる効果が示され、それは気候変動問題を重要課題とする業種で顕著に観測されたという。これらの分析結果は、企業の気候変動緩和行動が資本コストに与える影響の科学的なエビデンスの一つとして活用されることが期待されている。