テルルが高血圧につながるイメージ
名古屋大学の三澤知子病院助教らと藤田医科大学の研究グループは、ミネラルの一種「テルル」の高血圧有病率に関する新知見を報告している。実験でテルルを多く摂取したマウスが、高血圧となる割合が上昇したことが分かった。
食品にはテルルというミネラルが微量に含まれていることがある。だが、これをどれほど私たちが日常生活で体内に取り込み、健康に影響を与えているのかはまだ十分に解明されていない。
研究では日本に住む成人2592人の尿中テルル濃度を分析した。それによると、濃度が高いほど血圧が高くなり、高血圧の有病率が増加していた。さらに、ヒトと同じ程度のテルルを摂ったマウスは血圧が上昇することが判明した。
研究グループは「今後、個別の食品に含まれるテルル濃度をより慎重かつ継続的にモニタリングしていくことの必要性がある」と指摘している。