ユキヒョウ
京都⼤学を中⼼とする研究チームは、キルギス共和国で採取された野⽣のユキヒョウの糞サンプル 90 個でDNA解析を行い、エサとなる動物と植物のDNAを網羅的に同定した。ユキヒョウの糞に含まれる動物と植物の関連性を世界で初めて評価している。29日付の国際学術誌に掲載されている。
ユキヒョウは南アジアから中央アジアの高山地帯に生息するネコ科の動物。糞に頻繁に植物が含まれていることが知られており、特にミリカリア属の小さな木が好まれているとされる。だが、他の動物と比較して特有なのかなど詳細な分析はされてこなかった。
チームは野⽣ユキヒョウの糞90個と他の哺乳類の糞36個を採取。その中のDNAを抽出すると、ユキヒョウからミリカリア属が最も多く検出された。一方で、他の動物からはほとんど見つからなかったという。
「糞中に含まれる植物の地域⽐較を⾏い、どのような特徴を持つ植物が頻繁に検出されるのかを調べる」と説明。「他のネコ科動物との⽐較もして、植物の特徴や動物の⽣理に着⽬した実験的研究を進めることで、植物⾷⾏動の適応的意義を明らかにすることを⽬指す」としている。