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世界初の木材人工衛星「リグノサット」を9月に打ち上げ 内部の温度やコンピューターへの影響など分析 京大

記者会見の様子

京都大学と九州工業大学、住友林業らは28日、世界で初めて開発した木材人工衛星「リグノサット」を宇宙航空研究開発機構(JAXA)へ来月4日に引き渡すと発表した。今年9月に米宇宙企業「スペースX」のロケットで宇宙に飛ばし、木材への影響を調査する。来年の春に運用を終了する予定だ。

リグノサットは宇宙開発で木材が使用可能かどうかを検証する箱のような木造衛星で、重さは約1キログラム。宇宙空間で木に起こる歪(ゆが)みと衛星内部の温度を測定、コンピューターに対する放射線による影響も調べる。

研究グループによると、木造衛星のメリットとして地球大気を汚さないことや電波を通すため、電子機器を内部に入れておくことができるといった利点があるという。それを生かして、リグノサットと地上でのモールス信号を使った通信の成功を最低限の目標としている。

研究グループの土井隆雄・京都大学教授は、「打ち上げた衛星が宇宙に残り続けてしまうことなどを考えれば、将来的には木造衛星が主流になっていく」と今後の宇宙産業のあり方について語った。

木造衛星リグノサット