早稲田大学
早稲田大学の谷澤薫平准教授と岡浩一朗教授のグループは、高い全身持久力を有することで高中性脂肪血症や肥満のリスクが抑制されることを明らかにした。心血管疾患の予防のために遺伝リスクを把握して持久力を高める重要性が改めて示されている。
運動により向上する全身持久力は身体活動量を反映する指標であり、身体のさまざまな器官の機能も反映する。この上昇は死亡や疾患発症リスクと関連することが分かっている。だが、遺伝的に心血管代謝リスクが高い人も、持久力向上によりリスクは改善するのかは解明されていなかった。
研究グループは40~87歳の男女1296人から採取したDNAサンプルを使って解析を行った。その結果、高い持久力を持つことで、高中性脂肪血症と肥満の遺伝的リスクが抑制されると判明したという。
谷澤准教授は「心血管疾患の予防における全身持久力の重要性が、遺伝的リスクの抑制の観点からも示された」とし「遺伝的に中性脂肪が上がりやすい人や太りやすい人は確かに存在するが、遺伝子が悪いからと諦めず全身持久力向上に取り組んでほしい」とコメントしている。