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世界初 密封検査の信頼性を規格する統一式を制定 「産業競争力強化にもつながる」 産総研×計工連

産業技術総合研究所の吉田肇上級主任研究員らと日本計量機器工業連合会は23日、マイクロメートルオーダーの孔の寸法を評価する方法や気体移動量の関係が示された「気体の流れの統一式」を密封検査の業界規格として世界で初めて制定した。

自動車や冷蔵機器、エネルギーなどの分野で外部環境と遮断する密封構造が、製品の質を維持するために採用されている。そのため、微小な孔が発生すると、ほこりや細菌、液体などが侵入して製品不良の原因となる。定期的に密封検査が行われるが、結果の相関性が明確でないため、各結果をどのようにすれば効率的管理に生かせるかが課題であった。

産総研は圧力計や真空計、気体リーク試験装置を校正する国家計量標準を整備するとともに、培った技術を応用した密封検査の研究に取り組んでいる。他の物質の状態と比べて、気体は気流により漏えい量の計算式が異なるため予測が困難だ。今回、産総研は1つの式でリーク量を計算できる「気体の流れの統一式」を発案することに成功したという。

吉田肇上級主任研究員・産業技術総合研究所

吉田上級主任研究員は「気体リーク試験はいろいろな業界で使える。このような基準があることでより広がりやすくなる」と述べた。「リーク試験を上手く使うことが産業競争力を高める上で重要になる」とコメントしている。