黒曜石製の石器
中央大学と東京大学、立正大学など5団体は岡山県の小林河原遺跡(真庭市)で、黒曜石で作られた県内3例目となる局部磨製石斧(せきふ)を発見した。人類が海上を渡航していた証拠となるという。さらに、城山東遺跡(同市)が日本で最古級の遺跡であることを明らかにしている。
小林河原遺跡の発掘調査では、局部磨製⽯斧と隠岐島産⿊曜⽯製の台形様⽯器を発⾒した。⽯斧はオーストラリアと日本以外では発見されていない。黒曜石製の石器が中国地方で発見された事例は、人類が海を往還渡航していたことを示しているという。
また、城山東遺跡が近畿、中国、四国地域では約3万4000~3万6000年前の最古の遺跡、石器群、人類の生活痕跡であると分かっている。
研究グループは「今回の報告のように、炭化材の樹種同定と放射性炭素年代測定分析を含め、各種理化学的な分析によって、年代、古気候、古植⽣、古動物相、当時の海⽔⾯など古環境を復元することが極めて重要であることが分かる」とコメントしている。